10分で6億円。

 2016年夏季五輪の開催都市を決めた国際オリンピック委員会(IOC)総会で放映された東京都の10分間のPR映像を巡り、大手広告会社「電通」(東京)が都側に請求した制作費は6億数千万円に上ることがわかった。

 当初見積額は5億円だったが、石原慎太郎知事が手直しを命じたことなどで追加費用が発生したためとしている。これに対し、石原知事は「直した分だけ金がかかるというのは通らない理屈」と反発。都は、電通側と交渉を始めた。(読売新聞)

 10分で6億と言えば、ハリウッド映画の制作費並みの金額。見方を変えると、TVアニメが2クール分作れる金額でもある(^^;
 さて、今回こうしてニュースになったところを見ると、映像制作もするマスコミの目から見ても、金額が異常な高さだったのだろう。もし適正な金額であれば、ニュースにはならなかった筈。

 記事を読んだ限りでは、「当初見積額は5億」ということで、電通が5億で製作を請け負い、内容についてもほぼ固まっていたと推測される。
 基本的に映像制作でかかる費用は、
制作に携わった人数 × 制作時間 + 諸経費(交通費・滞在費・機材レンタル費等)
で算出される。当然、関わる人数や制作期間が長期に渡れば、その分、費用は増えるし、特に今回は外国でのロケもあったということで、そこだけでもかなりの費用がかかったことは推測できる。
 それでもだ、当初見積りだけで5億、というのはとても信じられない。TVアニメ1本(本編)の制作費は千数百万円ながら、CGが使われていたり、作品によっては実写や、実写による爆発シーンもあったりする。そういうことから考えると、やはり、今回の金額は高い気がする。ただ、アニメは制作費を削られ、下部の組織やスタッフが低賃金で働かされている、という実態もあり、まともな給料を払ってアニメを作れば、アニメ1本の制作費も一気に膨れ上がる可能性は高い。
 ただ、大手の広告企業は従業員に高い賃金を払っており(例:某大手の営業部所属の30歳、年収800万)、基本的に高コスト体質であり、従業員に規定通りの給料を払い続けるためには必然的に受注費用を高くする必要がある。特に今回の契約先である電通は、業界最大手ということで2位以下の企業よりも受注費用は高め、という話もある。

 そして、都知事が手直しを要求したところ、その分の費用が上乗せされた、とのことだが、当初の契約で指定された内容の作品を5億で作ることを約束しており、その契約通り作品を完成させれば契約は完了したことになる。そこで手直しを指示すれば、追加費用が発生するのは当然。
 例えを使うなら、今回、東京都は電通に、五輪に関する絵を描いてくれ、と注文した。そして電通は絵を描いて渡したところ、『気に入らないから描き直せ』と言われた、というお話。一応仕事は完遂しているのだから、描き直させるのであれば、追加費用が発生するのは当然。
 そうではなく、『家を建てる』という契約であれば、設計図通りのきちんとした家を建てるまで仕事は完成したことにはならないので、東京都は電通に対して追加費用無しで家の完成を要求することが出来る。

 今回の契約類型は『請負契約』であると思われるが、そうであるなら、瑕疵修補請求権(民法634条)が行使できるのかが微妙なところ。これが認められれば東京都は追加費用を払わなくて良いのだが、完成するまで都は一度も関与しなかったようで、そこがネック。折に触れてチェックしていれば、民634条が適用され、追加費用を負担せずに済んだように思われる。

 ただ、追加費用の分を抜きにしても、5億が妥当なのだろうか、という疑問は拭い去れませんが(^^;

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