それは政治利用なの?

 天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見について色々な議論が巻き起こっている。今回の一件で、『天皇の政治利用』と言っている立場の人の意見も、また、『政治利用ではない』という立場の人の意見もそれなりに説得力がある。
 先に断っておくと、外国賓客との会見は国事行為ではなく『公的行為』に分類される。つまり、普通であれば『政治利用』に当たらないのだが、中国との特殊な関係性や、宮内庁が定めた『1ヶ月前ルール』に反している点で、今回は『政治利用』という指摘がなされている。確かに、納得。
 また、『そもそも外国の政治家と会見すること自体が政治的』という意見がある。これは個人的に、非常に説得力があるように思う。
 これも個人的な意見だけど、天皇陛下が外国の要人と御会見なされた場合、『(日本とその国が友好関係を築ければいいな。そして相手国も、日本に対して良い印象を抱いて欲しいな)』と思ってしまう。これは全くもって個人レベルの意見だけど、要するに、他国との友好関係を築くということは、政治的に友好関係を築くことと同義であるように思う。

 ただ、根本的に、『天皇』という存在自体が、非常に政治的な問題を抱えているように思う。そして、それが上述のような問題を巻き起こすのではないかと思う。

 まず、法律の何処を探しても、『日本は君主(天皇)制を採用する』という規定が無い。天皇は当然に存在するものとして、憲法その他に規定がなされている。憲法には天皇陛下の御公務が記載されており、少なくとも天皇陛下の役割を知ることは出来る。でも、『当然に存在する』ということだけが前提となっていて、『何のために存在するのか』『どういう立場なのか』ということは曖昧なままだ。憲法第1条にそれらしいことは書いてあるものの、読んでみると、巧い具合にはぐらかされている気がする。

 そして、その曖昧さを解消していないまま法が制定されている。元首かどうかは議論があり、仮に元首だとしても政治に関与することは出来ない、という矛盾。元首でもなく政治に関与することもできない、という解釈をすると、いよいよもって疑問点が溢れ出してくる。
 立場が曖昧なまま、御公務や生活に関わることが法律で規定されている。それを考えると、皇族の方々は本当にご苦労が多いように思われます。
 例えば、運転免許を取ったとして、僕等なら欲しい車を買って、好きなように改造できるわけですが、恐らく天皇家ではそうはいかないでしょう(フェラーリを買ってバリバリに改造するとか)。
 そして、好きな人が出来たとして、僕等であれば普通にお付き合いして、結婚もできるわけですが、天皇家の場合、結婚相手は非常に重視されるので、必ずしも、好きな人と結婚できるわけでもないのでしょうし。

 尤も本件では、『脱・官僚/政治主導』を掲げる小沢氏と、宮内庁長官の意地のぶつかり合い、という側面が強いように思う。何となくだけど、宮内庁に勤めている人は、『天皇家に仕えている』という意識があり、それが昔の宮廷役人のような“特別感”を抱かせているように感じる。例えば『1ヶ月前ルール』について、どの国にも平等に適用してきた、とのことだが、それは非常に重要だと思う。ただ、何故『1ヶ月前ルール』があるのか、また、何故『1ヶ月前』迄に申請しなければならないのだろう、という疑問もある。
 今回の問題は、官僚が独自に定めたルールが巻き起こしたともいえるが、政治の側が『1ヶ月前ルール』を知りながら黙認してきたことも看過出来ない。政治の側が法律で申し込み期限を定めていれば、今回のようなことが起こらなかった可能性は高い。

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Comment

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詳しくこのことについて議論することは周りではあまりなかったので
いい機会です。
かしこくないのできれいなことは言えませんが。
個人的な意見としては秋乃さんと同様で微妙ですね。
捉え方によって2つの意味を成す今回の出来事。
完全な答えは出ないでしょう。
日本国民全員に意見をとって多数決でなら決まるかもしれませんがw

>あげたこさん

 それぞれがそれぞれの立場を主張しつつ、最後は
『帯に短し襷に流し』的に妥結するから
おかしな事態が起こるのですよね。
 例えば新幹線でも、最初から標準軌でレール敷設をしていれば、
余分な建設費問題も、また、並行在来線問題も起きなかった可能性もありますし。
 政治家は長期的視野に立って政策を立てて欲しいものです(^^;

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